思い出橋
- 2008/04/13(Sun) -
               花粉症は 父 譲り

               二月三月辛いと 知っているくせに 

               その季節を選んで 逝った
         
               通夜あけた朝は 晴れ渡り 風強く まさに 花粉日和

               タクシーつかまらず ひとりで歩いた 式場への道 数キロ

               早朝の橋の上で立ちつくし 冷たい風に 頬を 乾かした

               そのあと 花粉の成果はてきめんで 悲しいのやら 苦しいのやら
      
               ひどいありさまだった

         

               花粉の季節がくると あの朝の橋を 思い出す

               すると 橋が するりと のびる

               過去へ 

               あの川べりは 父の散歩コース 

               孫と一緒に鯉に手をたたき 鳶を見上げる 

               孫を自転車のかごに乗せて 橋を渡る後姿

               あら 橋を歩く制服姿はわたし 中学時代の通学路
         
               さらに 橋はのびる

               むかしむかしの 七夕の夜

               短冊飾った笹 橋から川へ落とす 海へ流れ行くのを目で追って

               お楽しみはそのあとの夜店  
     
               幼い私と 若い父

               とっくに忘れていた 「おじいちゃん」ではない 父  
         
               なるほど こういうたくらみだったか

               深慮遠謀 親心

         
        
               今年も くしゃみひとつ 思い出橋 開通 










          

  

                
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