あの日も あの日も
- 2009/08/24(Mon) -
                           ある日 種を みつけた
                           気に入って 胸ポケットにしまった
                           何の種だろう
                           時々 取り出してながめた

                           ある日 転んで胸を打った
                           種は ポケットの中で 砕けた
                           だから 捨てた

                           ある日 吹雪の中にいた
                           激しい風に 飛ばされそうだった
                           冷たい雪に 眠ろうとした
                           眠るなと 胸がチクチク痛みだし しかたなく ふんばった 

                           吹雪が過ぎ 胸を見たら
                           捨てたはずの種の破片が 刺さっていた
                           抜こうとしたら 胸にもぐりこんだ
                           胸の奥が ズキズキした
                           食べる時も 寝るときも ぼんやりする時も
                           ズキズキ ズキズキ ズキズキ
                           種なんか 拾うんじゃなかった

                           ある日 種の破片が 背中を突き破った
                           息さえできず うずくまった
                           道行く人が 肩甲骨のあたりに芽がでていると 教えてくれた
                           拡大鏡を使って背中を見たら 芽は 翼の形をしていた
                           笑ってしまうほど ちっぽけなちっぽけな翼 
                           つまんで引き抜こうしたら 痛くて涙がこぼれた 
                           抜けなかった
                           かわいそうな翼
                           他の人に拾われていれば 立派な芽がでたろうに
                          
                           うつむいて 歩く
                           他人の 輝く翼を 見たくないから

                           ある日 ハミングが聞こえた
                           背中のちっぽけな翼が 歌っていた
                           その声はかすかで 他の人には聞こえない
                           でも 楽しそうだった
                           思い切って話しかけてみた
                            「こんな背中で ごめん」
                           翼は答えず ハミングを続ける
                           勇気をふりしぼって 問うた
                            「いつか空を飛べる?」
                           翼は ハミングを続けるだけだった

                           ある日 翼と一緒に 歌いたくなった
                           歌った
                           そうしたら 空が目に入った 
                           頭上に青空が広がっていた
                           翼に聞いてみた
                            「飛びたい?」
                           背中がくすぐったくなった
                           翼が はばたいた らしい
                           一センチも浮かなかった
                           でも 上機嫌なハミングが聞こえてきた

                           翼と一緒に 空の下を歩いている
                           翼と一緒に ハミングする
                           氷雨に凍える日も 嵐に倒れる日もあるけれど

                           いつか…



                                      (旧ブログ2007年12月掲載の手直し)



                                     



                                この詩を 旧ブログにUPしたのが2007

                                書いたのは さらに その数年前

                                気持ちは今も 変わらず 

                                数年おきに 手直し

                                私の精神世界は 時間の流れが ゆーっくり ゆっくり

                                (ひとことでいえば ぐずね)

                                  
                                でも 肉体的老化スピードは 人並み(以上)

                                          なんでや

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